「屍者の帝国」The Empire Of Corpses

Introduction:19世紀末。蘇生技術によって、死者が労働力=屍者として普及したロンドン。英国の密命を受けた医学生ジョン・ワトソ
ンは、その礎となったフランケンシュタイン博士による「ビクターの書」を求めてロシアへと旅立つ。

“死体蘇生技術”が発達し、「屍者」を労働力として活用している19世紀末のロンドン。有能な医学生ジョン•H•ワトソンは、大英帝国政府の秘密組織「ウォルシンガム機関」に招かれ、ある密命を受ける。それは伝説の書物「ヴィクターの手記」の捜索。一世紀前にヴィクター•フランケンシュタイン博士が遺し、まるで生者のように意思を持ち言葉を話すオリジナルの屍者「ザ•ワン」を生み出す究極の技術が記されているという。 第一の手掛かりはアフガニスタンの奥地。
ロシア帝国軍の従軍司祭であり天才屍者技術者と謳われたアレクセイ•カラマーゾフが、突如武装した新型の屍者を率いて叛乱を起こし、その地に姿を消したという。
彼が「手記」を既に入手し、新型の屍者製造にその手法を用いているのだとしたら…。
すべての行動を記録する屍者フライデーを伴い、ワトソンの「ヴィクターの手記」をめぐる壮大な旅が始まる。

原作: 伊藤計劃×円城塔(河出文庫) 監督: 牧原亮太郎 『ハル』 キャラクター原案: redjuice 制作: WIT STUDIO『ハル』『進撃の巨人』『鬼灯の冷徹』 企画・制作:フジテレビ 配給:東宝映像事業部 宣伝:パジー・エンタテインメント/スロウカー パブリシティ:ブラウニー 制作:Project Itoh

Character

ジョン・H・ワトソン(CV:細谷佳正)

ロンドン大学の医学生。自らの死期を悟った親友フライデーとの約束を守り、彼の死後違法に彼の屍者化を行ったことが大英帝国諜報組織「ウォルシンガム機関」の目に留まり、行方不明の「ヴィクターの手記」捜索を命じられる。卓越した屍者への知識と技術を持ち、魂の証明に並々ならぬ執着を見せる。

フライデー(CV:村瀬歩)

屍者技術と魂の証明を共に追求したワトソンの良き理解者であり親友。死後はワトソンによって屍者化され、ワトソンの言葉と行動を記録する。
旅に応じて複数のプログラムをインストールされており、高度な技能を持つ。ウォルシンガムの所有物としての登録名称はNoble_Sabage_007。

フレデリック・バーナビー(CV:楠大典)

ワトソンのガイド兼監視役としてウォルシンガムが手配した大英帝国陸軍大尉。 身体能力の強さに加えて豪快な性格で、対照的なワトソンとは
事あるごとに意見が対立するが、アレクセイとの一件で彼自身も「手記」の捜索に真剣に向き合うようになる。

アレクセイ・カラマーゾフ(CV:三木眞一郎)

ロシア帝国の従軍司祭にして天才的屍者技術者。「ヴィクターの手記」を携行し、武装した屍者の一隊を率いて叛乱を起こして
アフガニスタンの奥地で「新王国」を築いているとされる。ワトソンの任務は彼を追って海を渡ることで幕を開ける。

ニコライ・クラソートキン(CV:山下大輝)

ロシア帝国官房第三部の若者。英国とは本来敵対関係にあるが、ある思惑からカラマーゾフのいる奥地までワトソンたちを案内することに。
クールな性格で、しばしば皮肉っぽい笑みを浮かべる。カラマーゾフとは同郷である。

ハダリー・リリス(CV:花澤香菜)

元米国大統領ユリシーズ・グラントの秘書を名乗る謎の美女。旅を続けるワトソン一行とは折に触れて接触する。
「魂の証明」というワトソンの研究に強い関心を示し、「魂の実感」を求めている。

M(CV:大塚明夫)

大英帝国諜報組織「ウォルシンガム機関」の指揮官。屍者技術者としての才能と霊魂再生への野心を利用してワトソンに
「ヴィクターの手記」の捜索を命じ、英国とロシアの屍者技術をめぐるグレートゲームを仕掛ける。

Cast&Staff

Cast&Staff


Books:原作「屍者の帝国」 THE EMPIRE OF CORPSES  著: 伊藤計劃×円城塔 (河出書房)
創刊: 2014/11/28 映画「虐殺器官」「ハーモニー」に続き劇場アニメ化が決定した「屍者の帝国」の原作小説。redjuice によるイラストカバーバージョンが河出書房から発売決定。

屍者化技術が普及した19世紀末、大英帝国の諜報員ジョン・ワトソンは戦乱のアフガニスタンに潜入。カラマーゾフより渾身の依頼を受け、
魂の秘儀を求めて世界を駆ける。伊藤計劃の絶筆を円城塔が完成させた超大作。

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Comment

『屍者の帝国』 牧原亮太郎監督コメント

伊藤計劃先生の作品はいつか映像化するんだろうなと楽しみにしていたファンの一人です。『屍者の帝国』も円城先生が続きを書かれると聞いてから発売を楽しみにしていました。『屍者の帝国』は伊藤先生的問題設定と円城先生のクールで時に悪戯な文のミックスが魅力的で、お二人の関係性も感じ(妄想し)ながら読ませて頂きました。 今自分の机の周りにはお二人の魂からなる「物語」が物質化し、動画の紙束として山のように積まれています。 「霊魂」(anima)を与えて「動かす」(motion)。アニメーションと作品との不思議なリンク、文学から映像と表現を変えて引き継がれていく、その必然を感じながら日々制作に励んでおります。

『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝国』キャラクター原案・redjuice氏コメント

弾丸と言葉のリアリズムで描かれた『虐殺器官』、現代社会の延長とも言える近未来を舞台に繰り広げられる儚い命の物語『ハーモニー』、19世紀を舞台とし、様々なギミックが楽しめる冒険活劇『屍者の帝国』。3つの全く異なった世界観を持つ作品と同時に向き合うという大役を授かることになりました。より多くの方々の心に届くような、きっかけとしての絵を作れれば良いな、と日々筆を走らせています。

山本幸治チーフプロデューサーコメント

人は何故生まれてきて、どこへ向かうのか。小説家は物語を遺すことで、どこに至ろうとしたのか。何か求めてやまないその魂が、映像にも宿ってほしい。遺された物語が、人々の心を揺さぶってほしい。